ノッカンドオ（ノッカンドゥ）蒸留所 スコッチモルトウイスキー解説評価 / 吉祥寺 Vision
2023/03/08
ノッカンドオ蒸留所について、徹底解説していきます。
1. ノッカンドオの地理
生産国：スコットランド
地域：スペイサイド
2. ノッカンドオ蒸留所データと設備
所有者：ディアジオ社
設立年：1898年
年間生産能力：140万リットル
仕込水：カードナックの泉
ワンバッチ：4.4トン
発酵槽：ダグラスファー8基
蒸留器：初留2基、再留2基
熟成庫：
3. ノッカンドオ解説
ノッカンドオ蒸留所は1898年創業の蒸留所で、創業者はイアン・トンプソンというエルギンの酒商が創業しました（年表ではジョン・トンプソンとなっていますが日本語資料と英語資料で違います。どちらが正しいか調査中です。）
ゲール語で「小さな黒い丘」「小さな黒い塚」を意味する言葉で、場所はスペイ川中流域のスペイ川を見おろす左岸の丘の上に建てられています。
1898年創業なのですが、1904年にはロンドンのジンの業者のギルビー社に買収され、その後グランドメトロポリタン系列のインターナショナルディスティラーズ＆ヴィントナーズ（IDV）社の所有となりました。
実際の運営はジャスティリーニ＆ブルックス社で、同社からリリースされているJ&Bのメイン原酒となっています。
現在は1997年にグランドメトロポリタンとギネスが合併しディアジオ社となり、現在はディアジオ傘下の蒸留所となっています。
ノッカンドオの仕込みはワンバッチ4.4トンで、マッシュタンはステンレス製のセミロイタータン、発酵槽はダグラス製が8基で、発酵時間は50時間と100時間の2種類を作り分けており、これはJ&Bの原酒としてナッティなフレーバーが求められたため、あえてきれいな麦汁ではなくクラウディな麦汁を作っています。
ノッカンドオには特別なウエアハウスがあり、ここには128蒸留所の樽が熟成されていました。
これは1990年代に発売されていた、J&Bアルティマという当時手に入るすべてのスコットランドの蒸留所128箇所をブレンドしたブランドのために熟成されていました。
2017年からノッカンドオでは大改修工事が行われていて現在は操業停止中。
当初2021年再オープンの予定でしたが、コロナのため再オープンが伸びています。
4. ノッカンドオのラインナップ
ノッカンドオ 18年 スローマチュアード
シェリー樽で18年熟成させたボトルで、発売時期により蒸留年、瓶詰め年が違い、当店にあるのは2001年蒸留のものです。
濃厚すぎないサラッとした甘さのシェリー樽熟成の風味がライトで、1杯目のモルトに最適のボトルです。
5. ノッカンドオの年表
1898年 ジョン・トンプソンが蒸留所を創業。設計者はチャールズ・ドイグ
1899年 5月に蒸留開始
1900年 3月に蒸留所閉鎖し、J.トンプソン社が管理を引き継ぐ
1903年 W. &A. ギルビーが蒸留所を3500ポンドで購入、10月に蒸留再開
1962年 W. &A. ギルビーがユナイテッドワイントレーダー（ジャスティリーニ＆ブルックスを含む）と合併し、インターナショナルディスティラーズ＆ヴィントナー（IDV）となる
1968年 フロアモルティングを廃止
1969年 蒸留器を4基に増設
1972年 IDVがワトニー・マンに買収され、さらにワトニー・マンがグランドメトロポリタンに買収される
1972年 ジャスティリーニ＆ブルックスがノッカンドオ12年を発売
1997年 グランドメトロポリタンとギネスが合併しディアジオに、同時にIDVとユナイテッドディスティラーズが合併してユナイテッドディスティラーズ＆ヴィントナーズになる
2010年 マネージャーズチョイス1996を発売
2011年 25年を発売
2017年 蒸留所を改修のため閉鎖
Vision Whisky Bar ヴィジョン
吉祥寺／東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-8 耶馬ビルB1
0422-20-2023
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