2022/02/22
ミルトンダフ蒸留所について、徹底解説していきます。
生産国:スコットランド
地域:スペイサイド
所有者:ペルノリカール社
設立年:1824年
年間生産能力:580万リットル
仕込水:ブラックバーン
糖化槽:ワンバッチ8トン
発酵槽:スッテンレス16基
蒸留器:初留3基、再留3基
熟成庫:
ミルトンダフ蒸留所は1824年創業ということになっていますが、もともとミルトン蒸留所という名前で密造の蒸留を行っていました。1824年に正式に蒸留免許を取得しています。ダフという名前がついたのは、その土地を所有していたファイフ伯ダフ一族に由来します。
ミルトンとは「工場のある場所」という意味。
マレイ州エルギンから5キロ西に言った場所にあるミルトンダフ蒸留所のあたりは、スコットランドで最も良質な大麦を生産すると言われている一大穀倉地帯で、さらにブラックバーンという良質の川があり、昔から密造酒造りが盛んな土地でした。
また、近くには1236年に建設されたベネディクト派のプラスカーデン修道院があり、修道僧たちがエールビールを造っていたそうです。
近くにグレンバーギ蒸留所があり、姉妹蒸留所のような形で運営されています。
1936年にハイラムウォーカー社がオーナーとなった後、バランタインの原酒を製造しており、バランタインの味を決める3つの重要なキーモルトと言われています。
また、ローモンドスチルを一時期導入し、モストウィーというモルトも造っていましたが、現在は撤去され、通常の蒸留器に置き換わっています。
製造は、ワンバッチ8トン、ステンレス製の発酵槽が16基、蒸留器はストレートヘッド型が初留、再留で各3基の合計6基となっています。エクスターナルヒーティングという外部加熱方式を採用しているのも特徴です。
製造されるウイスキーのほとんどがバランタインの原酒となっていますが、最近バランタインの原酒を楽しむシリーズものとして「バランタイン ミルトンダフ15年」が発売されているほか、少量ですが、ボトラーズでもリリースされています。
ミルトンダフ 2007 9年 プロヴェナンス
ダグラスレイン社がリリースするプロヴェナンスシリーズは、加水で良質なウイスキーを多くリリースするシリーズです。
こちらのミルトンダフはシェリー樽熟成で非常にまったりとしたフレーバーが特徴、甘めの1杯目に最適です。
ミルトンダフ 2008 11年 スリーリバーズ ポスター
スリーリバーズは日本のボトラーズで大変高品質なウイスキーをリリース、またラベルデザインも非常に目立つボトルで有名です。
こちらのポスターシリーズは、名前の通りポスターに使われていた絵をラベルデザインにするシリーズで、10年前後の熟成年数のものが多くリリースされています。
バーボン樽熟成で、バニラや麦芽の甘い香りが大変素晴らしいボトルです。
1824年 アンドリュー・ピアリー氏とロバート・ベイン氏がミルトンダフ蒸留所の蒸留免許を取得。以前はミルトン蒸留所という名前で密造の農場蒸留所として操業していたが、ダフ家がその場所を購入した際に名称変更
1866年 ウィリアム・スチュワート氏が蒸留所を買収
1895年 トーマス・ユール社が共同経営者となる
1936年 トーマス・ユール社がハイラムウォーカー・グーダーハム&ウォーツ社に蒸留所を売却。後者は新たに買収した子会社のジョージ・バランタイン&サンズ社に管理を移管。
1964年 モストウィーを製造するために2基のローモンドスチルを導入。
1974年 大規模改修を実施
1981年 ローモンドスチルを廃止し、通常の蒸留器を2基設置。合計6基となる
1986年 アライド・ライオンズ社がハイラムウォーカーの株式の51%を取得
1991年 アライド・ライオンズ社がハイラムウォーカーの残りの株式を買収
1991年 アライド・ディスティラー社はユナイテッドディスティラーズ社のクラシックモルトを手本に、ミルトンダフ、トーモア、グレンドロナック、ラフロイグなどカレドニアンモルトとして発売。トーモアは後にスキャパと入れ替わる
2005年 アライド・ドメック社を買収し、シーバスブラザーズ社(ペルノ・リカール社)が新しいオーナーとなる
2017年 15年熟成を発売
2020年 19年熟成をアジア向け特別ボトルとして発売
Wataru Kobayashi 小林渉
Vision Whisky bar 吉祥寺
0422-20-2023
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