2013/12/27
今日はタイトルどおり、紙幣のお話。
お客様との会話の中で、日本の紙幣に描かれている肖像画の話題になりました。
何故そんなお話になったのかというと、最近見に行った友人の舞台の話題からでした。
その舞台は幕末、坂本竜馬や西郷隆盛、そして新撰組を
テーマとしてとりあげているとてもユニークで為になる内容。
もちろん、実際の歴史そのままを描いているわけではなかったのですが、
その舞台においてもやはり坂本竜馬は日本の歴史を動かした人物として演じられていました。
そんなお話をするとそのお客様から
「なんで坂本竜馬はお札の肖像画に選ばれなかったんだろうね?」
という、想像もしていない言葉。
・・・確かに。
現在、1万円札には福沢諭吉、5千円札には樋口一葉、千円札には野口英世です。
今は懐かしい2千円札の裏側には紫式部が描かれています。
その昔には、聖徳太子や岩倉具視、新渡戸稲造や夏目漱石など、
有名な人物の肖像が描かれていました。
その人たちが選ばれた理由、ご存知ですか?
というわけで、今日は紙幣について調べてみました。
そもそも、何故お札には肖像画が印刷されているのでしょう?
ある調査によると、お札を発行する175カ国中129カ国、
73%の国々ではお札に人物の肖像画が描かれています。
その理由として、一番重要視されているのは、やはり偽造防止です。
私たちの眼は、自身が感じている異常に「人物の顔」を見分けることには長けており、
顔の少しのずれやぼやけなどでもすぐに違和感を感じられるのです。
その特性を利用してお札に肖像画を印刷することで偽造を防止しています。
そのことについての有名なエピソードがあります。
18世紀後半におきた「フランス革命」で、当時の国王だったルイ16世が国外逃亡を図った際、
国境近くのヴァレンヌという土地で住民に発見され、処刑されるという事件が起きました。
新聞もテレビも無いその時代に、変装までしていたルイ16世が
見つかってしまっていた理由が、お札の肖像画。
当時のフランスのお金にはルイ16世が描かれていたのです。
人間がいかに顔を覚える能力に長けているのかがわかるエピソードですね。
そして、肖像画を描くもう一つの理由が「親近感をもたせる」こと。
お札は冷たい印象も抱かれやすいものであるからこそ、
少しでも親しみをもって扱ってほしいという願いをこめているのだそうな。
そして、描かれている人について。
親近感を持たせるのであれば、本当ならば生存しているスポーツ選手、アイドル、
タレントであってもいいはずなのに、現在お札に印刷されているのは、過去の偉人。
その理由は、どんな偉人であっても、生きている間では評価が定まらないからなのです。
死後、ある程度たった段階でも国民的人気が高いようであれば、
お札の肖像画の候補になり、過去の偉人と比較、そして選択されていきます。
選択されてきた肖像画の共通点のひとつは、明治時代を中心に活躍した人物ということです。
明治時代は、政治体制が転換しただけでなく、社会風俗や人々の考え方が大きく変わり、
現代日本の基礎が形作られた時代。
そういう時代に活躍した偉人が、お札の肖像となっています。
お札を作る側にとってありがたいのは、明治時代以降の人物であれば、
写真が残っているということなのだそう。
江戸時代中期以前だと、歴史上いかに重要な人物であっても写真が残っていません。
お札に描く肖像は、親しまれるためにもできるだけ写実的であり、
なおかつ写真が残っていることは大切なのです。
現在、お札に描かれているこの3人のもうひとつの共通点は、
全員が「文化人」だったということです。
福沢諭吉は慶應義塾を創立した思想家・教育者。
樋口一葉は女流作家、野口英世は細菌学者で、いずれも立派な書物、
小説や研究論文を残し、日本の文化を高めた人たちですね。
政治家や国の指導者は、戦乱が起き、国の統治が乱れた時に、大きな役割を果たします。
その理由から政治体制の変革を遂げた日本では、国内での勢力争いに勝ち、
国を束ね、リーダーとなった人物が描かれていた時代もありました。
ところが、戦後、日本の政治が安定し、経済成長を経て国民が豊かになると、
自らが新しいものを作り出す独創性にこそ価値がある、という見方が強まりました。
お札に文化人の肖像が採用されるようになったのは、
日本が平和で豊かになった象徴と言えるのです。
偽装防止のために数年に一度お札の肖像画が変更されるのはやはり偽装防止のためですが、
1万円札が長く福沢諭吉のままであるのは、現在の防犯技術の向上と、
最も需要のある1万円札の印刷が間に合わなくなる可能性があるからなのだとか。笑
そんな裏事情もあるのです。
ちなみに、樋口一葉は日本の紙幣の表面に印刷された、女性初の人物。
女性の社会進出を表しているのですよ。やりました。さすが樋口さん。笑
そして最後に、写真も残っており、しかも1ドル札には印刷されている坂本竜馬が
日本紙幣の肖像画に選ばれなかったのは、単純に自己主張が強く、
倒幕運動を演出するなど過激な面が見られるために、
使いにくかったのではないかという意見があります。
まあ実際の理由は、明らかにはなっていないようですね。
普段何気なく使用している紙幣。
紙幣に対する見方が大分変わりました。お金、大切に親しみをこめて使いましょうね。
またしても長くなりましたが、今日はお札の歴史についてでした。
今日のお酒はラム。なんとなくですが。笑
マッサラム 15y
味わい深い1本。
Takayo Mano
—–
bar Algernon Synonym / 赤坂見附
*17:00 – 0:00 (日祝定休), 17:00 – 2:00(金、祝前日)
*TEL 03-3586-0535
*港区赤坂3-10-6 雪華堂ビル 3F / Google map
銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 10番出口より徒歩2分
半蔵門線・有楽町線・南北線 永田町駅 10番出口より徒歩2分
千代田線 赤坂駅 1番出口より徒歩6分