2023/05/31
グレングラッサ蒸留所について、徹底解説していきます。
生産国:スコットランド
地域:ハイランド
所有者:ブラウンフォーマン社
設立年:1875年
年間生産能力:110万リットル
仕込水:グラッサ川の泉
ワンバッチ:5.2トン
発酵槽:オレゴンパイン4基、ステンレス2基
蒸留器:初留1基、再留1基
熟成庫:
グレングラッサ蒸留所は1875年創業(海外資料によると1873年)で地元の商人のジェームズ・モイヤーが建設しました。
1892年にハイランドディスティラリー社が買収し、2008年まで同社が所有していましたが、その間に何度も閉鎖と再開を繰り返し、実際に創業できていたのは60年間くらい、1986年以降は一切ウイスキーはつくられていませんでした。
そんな中、ロシアや北欧の投資家が資金を出し、蒸留所を再開。その後2013年にベンリアック社が買収、更にその後ベンリアック社が所有するグレンドロナックとともにまとめてブラウンフォーマン社に買収されました。
グレングラッサの仕込みは5.2トンで、100年以上使い続けているというポーティアス社のマッシュタンで2万5000リットルの麦汁を抽出、発酵槽はオレゴンパイン4基ステンレス2基ですが、現在使用しているのはオレゴンパインのみ。
発酵時間は54〜80時間に設定されており、これは現在のシングルモルトでリリースされる蒸留所のなかでは短い時間となっています。
蒸留器は2基のみでどちらも背の高いボール型。
基本はノンピートですが、年に1ヶ月だけ30ppmのヘビリーピーテッドを製造しています。
熟成樽はアメリカンホワイトオークのバーボン樽で、4回使い回すのが特徴となっています。
現在は生産量の85%がシングルモルト用として出荷されています。
現在ブラウンフォーマンの所有となっていますが、これはジャックダニエルに使用している良質なバーボン樽(厳密にはテネシー樽)が確保しやすくなるということを指していると推測され、今後期待したいと思います。
グレングラッサ リバイバル
グレングラッサのスタンダードなもの。
赤ワイン樽を熟成させたヨーロピアンオーク樽とバーボン樽で熟成させた原酒を、シェリー樽に入れ替えて再度熟成させたものです。
スタンダードなバーボン樽スタイルではなく、やや甘めの仕上がりで、濃厚なフレーバーは水割りなどがおすすめです。
1873年 ジェームズ・モイヤーが蒸留所を創業
1887年 アレクサンダー・モリソンが改装工事に着手
1892年 モリソンが蒸留所をロバートソン&バクスター社に売却。ロバートソン&バクスター社がハイランドディスティラリー社に15000ポンドで売却。
1908年 蒸留所閉鎖
1931年 蒸留所再開
1936年 蒸留所閉鎖
1957年 蒸留所復興を開始
1960年 蒸留所再開
1986年 蒸留所閉鎖、操業停止
2005年 22年熟成を発売
2006年 19年、38年、44年の3種のリミテッドエディションを発売
2008年 蒸留所がスケアントグループに500万ポンドで買収される。21年、30年、40年の3種を発売
2009年 ニューメイクスピリッツ、6ヶ月熟成を発売
2010年 26年熟成を21年熟成に差し替え
2011年 35年熟成、新オーナー製造の最初のボトルの3年熟成を発売
2012年 ビジターセンターを発足、グレングラッサリバイバルを発売
2013年 ベンリアック社が蒸留所を買収、グレングラッサエヴォリューション、30年を発売
2014年 ピーテッド・トルファ、8種のシングルカスク、マサンドラコネクション(35年、41年)を発売
2015年 シングルカスクのセカンドバッチを発売
2016年 ブラウンフォーマンが蒸留所を買収。オクタブクラシック、オクタブピーテッドを発売
2017年 スリーウッドフィニッシュを発売
2018年 レアカスクシリーズのバッチ3、セカンドリリースのオクタブを発売
2020年 コースタルカスクの10種のシングルカスクを発売
2021年 50年熟成を発売
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0422-20-2023
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