恵比寿のバーテンダーがオススメするアイラモルト 4選 / VinSanto

当店ヴィンサントのウィスキーラインナップは、シングルモルトスコッチをメインに取り揃えております。
スコットランドの様々な地域の蒸溜所のウィスキーを置いておりますが、その中でも特に人気なのは、やっぱりアイラ島のウィスキー、アイラモルトです。
今回は、私がオススメするアイラモルトを蒸溜所解説と共に見ていきましょう。

 

 

1. アイラモルトってどんなウィスキー?

アイラ

オススメ銘柄をご紹介する前にまずは、アイラモルトとはなんぞやというところに簡単に触れていきましょう。
アイラモルトの最大の特徴はピート(泥炭)によるスモーキーな香りです。
アイラ島はスコットランドの島の一つで、インナーヘヴリディーズ諸島南端に位置し「ヘヴリディーズ諸島の女王」とも呼ばれ、ウィスキー愛好家からは聖地と崇められる存在のアイラ島。
アイラ島には8つの蒸留所があり(最新のアードナホー蒸留所を入れると9つ)、この蒸留所によるウィスキー産業と観光が島の主な産業となっています。
島の南部、東から順にカリラ 、アードベグ、ラガヴーリン、ラフロイグ 。北部ではボウモア、ブラックラディ、ブナハーブン、キルホーマン。この中の一つくらいは名前を聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか?いずれの蒸留所も世界的に人気が高く、ウィスキーラバー達に愛されています。

 

2. 200年以上の歴史 ラガヴーリン

ラガヴリン

アイラ島のシングルモルトウイスキーの中でもラフロイグやアードベッグと双璧をなすスモーキーな蒸留所ラガヴーリン。数あるアイラモルトの中でもこの蒸留所がNo.1、という方も多いのだとか。 ラガヴーリンとはゲール語で「水車小屋のあるくぼ地」という意味があり「ラグ」がくぼ地を「ヴーリン」が水車小屋を指します。

蒸留所創業は1816年ですが、その歴史は1742年ジョン・ジョンストンによっての密造酒時代まで記録をさかのぼることが出来ます。その後、蒸留所は有名なブレンデッドスコッチウィスキー「ホワイトホース」の生みの親ピーター・マッキーの手に渡り、以来ラガヴーリンはホワイトホースのキーモルトとして長く使用されている事でも有名になります。2016年には創業200周年を迎えた非常に歴史のある蒸留所の1つとして不動の人気を誇ります。
こちらのラガヴーリン12年2019ボトルは蒸留所が正規にリリースしたオフィシャルボトル。
通常のオフィシャルボトルは16年ですが、こちらは12年とやや若く樽出しのカスクストレングスでアルコール度数も56.5%と高くパワフル。
ラガヴーリンの持つ強烈な個性を存分に楽しむことが出来る一本です。

 

3. ヘビーでスモーキー アードベグ

アードベグ

アードベグは、個性の強いアイラモルトの中でも最もアイラらしい蒸留所とも言われています。その「アイラらしさ」の一番の要因といえば、やはりピート由来のスモーキーなフレーバー。
アードベグのスモーキーさが、いかに強烈なのかはスモーキーさの源であるピートの使用量を比較すればわかります。
アイラモルトのなかでもスタンダードな味わいとされるボウモアと比較すると、アードベッグのピート使用量は倍以上。アイラモルトの中では飲みやすいといわれるブナハーブン、ブルックラディに比べると10倍以上なんだとか。さらに、アードベグ同様にアイラらしい蒸留所といわれるラフロイグと比較してもアードベグの方が多くまさに「アイラのなかのアイラ」といえる存在です。

アードベッグの仕込み水には、ピートの地層を通ったウーガダール湖の軟水を使用。また、発酵槽にはウイスキーになめらかな質感を与えるオレゴン松を使用しています。
さらに蒸溜器に設置された精溜器(ピューリファイア)が与える、フルーティーでフローラルな甘さが、スモーキーさと融合して複雑な旨味を引き出します。
アイラモルトファンの中でも上級者向けの蒸留所と言えそうですね。

こちらの銘柄、スーパーノヴァはアードベグ蒸留所からリリースされた限定品でアードベグの中でも最も高いピートレベルを持つファンに絶大な人気のボトル。2009.2010.2014.2015年にそれぞれ限定でリリースされていたこのスーパーノヴァが昨年2019年に4年振りに復活。 元々強烈なスモーキーさを持つアードベグの中でも更に際立った個性のアイラファン必見の人気ボトルです。

 

4. アイラ島の新鋭 キルホーマン

キルホーマン

キルホーマンは近年アードナホー蒸留所が出来るまではアイラ島で一番新しいファームディスティラリー(農場型蒸溜所)として2005年に設立、当時アイラ島に新しい蒸留所が出来るのはなんと124年振りのことなんだとか。そんな新鋭の蒸留所がキルホーマンです。

使用するピートはアイラ島産ピートを。これを活かして作られるキルホーマンは、IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)の「シングルモルトスコッチウイスキー 年数表記無」カテゴリーで最高賞を受賞した経歴もある、歴史の深いアイラモルトの中では新米ながらも確かな実力のある蒸留所なのです。

キルホーマン最大の特徴は、大麦栽培・製麦・糖化・発酵・蒸溜・熟成・瓶詰というウイスキー造りにおける全工程を自社で行うアイラ島唯一の100%アイラ産モルトを実現しているということ、その中でも特に注目なのは原料となる大麦の栽培も行なっている「ファーム・ディスティラリー(農業型蒸溜所)」だということです。手間や管理事項が増えるので生産量が必然的に少なくなってしまいますが、手間暇かけて丁寧に作られるウィスキーは洗練された味わいでアイラモルトらしいピート、スモーク感を濃縮した素晴らしいモルトを作り出しています。

こちらのキルホーマンSTRカスクは Shaving (シェービング)、Toasting(トースティング)、Re-Charring(リチャーリング)という樽を再利用する工程の頭文字を取った特別な樽で熟成した限定品。アイラ島産ピートをたっぷりと焚き込んだヘビーピーテッド麦芽を使用、2012年に蒸溜された原酒をSTRカスクに詰め、今回のリリース用に樽を厳選しブレンド。新樽と古樽の長所が融合したことで生まれた芳醇なフルーツ、オーク、スパイスなどの複雑な味わいを楽しむことが出来ます。

 

5. スコットランド最強のピート香 オクトモア

キルホーマン

オクトモアが作られている蒸溜所は1881年創業のブルックラディ蒸溜所。当時の最高責任者であるマーク・レイニア氏、そしてマスターディスティラーのジム・マッキュワンが冒険的にリリースしたブランドがこのオクトモア。通常ノンピーテッドの麦芽を使用しフローラルでフルーティーな個性が持ち味のブルックラディがフェノール値(いわゆるスモーキーさの値)の高い麦芽を使用したらどんな味わいのウィスキーになるのか、その好奇心から始まったブランドです。オクトモアに使用される麦芽のフェノール値は167〜309PPM、この数値はスコットランドはもちろん全世界でも最大の数値。つまり世界最強のピート香を持つウィスキーなのです。はじめはフェノール値が高すぎるピーテッドモルトではウイスキーの風味が損なわれ、逆に不味くなってしまうのでは、という反対の声が内・外から寄せられたそうですがそれを押し切ってプロジェクトは進められます。スーパーへビリーピーテッドの麦芽は、温度を抑えながら長時間ピートの煙で燻されることによって完成します。また過去に発売されたオクトモアの熟成年数は、ほとんどが5年前後。これはかなり若いように思えますがフェノールの表現がもっとも華やかなタイミングである、という理由からなんだそう。アイラモルトファンの多くは最終的にピートの限界を求めるようになるんだそう、そういう意味でもこの世界最強のピートウィスキー・オクトモアは多くのファンに愛されるブランドなのです。

オクトモア09.3アイラバーレイはアイラ産大麦のみを使用し2012年に蒸留。セカンドフィルの樽を多く使用することで樽の影響を控えめに、フェノール値もやや低めにすることでアイラ産大麦のフレーバーを前面に引き出した味わいに仕上がっています。

 

Naoshi Morioka 森岡尚史
VinSanto Bar & Private room 恵比寿
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