アードベッグ蒸留所 19年 トリーバン バッチ3&4 少量生産の長期熟成ボトル / 中野 Whisky Burgers

アードベッグトリーバン

2024年初夏。今年もアードベッグ・デーを目前に控え、気温と共にアードベッグ熱が高まって参りました。
絶え間なく限定ボトルを打ち出し、チート級の手札の多さとまるでネタの尽きなさそうな勢いには感心するばかりですが、定期的にリリースされるボトルにも至極の逸品あり。

 

Ardbeg 2001 19y Traigh Bhan batch3
アードベッグ 2001 19年 トリーバン バッチ3

Ardbeg 2003 19y Traigh Bhan batch4
アードベッグ 19年 トリーバン バッチ4

トリーバンは毎年発売されるボトルではありますが、生産量の少ないスモールバッチかつ19年という長期熟成タイプのプレミアムライン。
「歌う砂」を意味するゲール語で名付けられ、鳴き砂で有名なアイラ島にある海岸が由来。
名称こそ統一されてはおりますが、バッチ毎に味わいも異なります。

正面のラベル下部にはボトリングされた当時の空模様や社会状況が記されているのも粋なポイント。
バッチ3は “In a lockdown” 。人々の交わりが鎖された世界でも美味いウイスキーは造られると言わんばかり。
バッチ4には “Under a full moon” 、満月の夜に瓶詰めされたとのこと。
熟成も満を辞したということでしょう。
たぶん。

熟成に使用された樽はどちらもはアメリカンオークとオロロソシェリー。
もちろん熟成年数も同じ19年、度数も46.2%。
それでも違いが生まれるのがウイスキーのおもしろいところ。

バッチ3はオークの焚火と潮水のロウリュ、ライム果汁のスプラッシュ。月桂樹の葉や五香粉の豊かなハーブとスパイスが余韻にも残り長く伸びていきます。
一方バッチ4。松脂のオイリー、フレッシュな林檎とバルサミコソース、炙ったローズマリーのアクセント。
甘みはシロップ漬けのレモン、ドライなジンジャーへと移ろい、ほのかにビターなカカオの余韻。

両者アードベッグの完成形の一つと言っても差し支えない仕上がり。
是非飲み比べてお楽しみください。
できれば月が満ちた頃に。

 

Keisuk Kosaka 小坂啓輔

Whisky Burgers Bar
中野/東京都中野区中野2-30-8 立川ビルB1
03-5340-5808
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