2020/01/30
さて、先日はピートについて解説しました。
今回はそれを踏まえて蒸留所別に解説していきたいと思います。
ブナハーブン蒸留所は、アイラ島の北東に位置する蒸留所で、蒸留所の名前の由来は「河口」です。
ブナハーブンでは、ノンピートを9割、ヘビーピートを1割製造しており、ヘビーピートは約35ppmです。
蒸留器の形はオニオン型と言われる非常に濃いウイスキーができやすい蒸留器。ボディの厚い濃厚なフレーバーが特徴です。
オフィシャルの12年は、シェリー樽比率が高く使用されており、弊社バーテンダーにブラインドで出すと、マッカランと間違えたスタッフが何人か出るくらいの濃厚さがあります。
最近注目されているのが、ヘビーピートの熟成年数若めの原酒で、若いということからピートの強さをダイレクトに感じられるのと、もともとボディが厚い蒸留所なので、その重みもよく出ており、飲みごたえがあることから、ボトラーズからのリリースが増えています。
(左)ブナハーブン 12年 オフィシャル
(右)スタオイシャ ブナハーブンヘビーピート 2013 アトマイザー22 弊社オリジナルボトル
カリラ蒸留所もブナハーブンと同じく、アイラ島の北東に位置します。
ポートアスケイグというアイラ島の玄関口ともいわれる港のすぐ近くです。
ディアジオ社が所有しており、同じくディアジオ社所有のポートエレンという製麦工場から35ppmの麦芽の供給を受けて、生産しています。
ほとんどが35ppmなのですが、ほんの少量ノンピートを作っており、限定リリースという形で発売されます。
実はこれがかなり美味しいのでぜひ見つけたら飲んでみてください。
カリラはアイラ島最大の生産量を誇る蒸留所で、そのためジョニーウォーカーの主要原酒の一つとしてブレンドされています。また生産量の多さからボトラーズへの原酒供給も多く、そのため多くのボトルを見る機会があると思います。
味わいはレモンやグレープフルーツなどの柑橘フレーバーと非常に強く感じる燻香と塩。アイラを代表する蒸留所です。
なお、カリラの近くには「スシ」という名前の猫が飼われており、蒸留所が飼っているわけでは無いらしいのですが、蒸留所内をウロウロしており、マスコットキャラクター化しているそうです。スシの由来は、飼い主が寿司が好きだからとのこと。
(左)カリラ 12年 オフィシャルボトル
(中央)SMWS 53.306 2007 11年 Sandalwood by the sea
(右)カリラ 2011 7年 キングスバリー マルサラカスク
アンオフィシャルマスコットキャラクターのスシ。当店お客様写真提供。
アードベッグ蒸留所はアイラ島の南側に3つ並ぶ蒸留所のうちの一つ。
アイラ島で通常作っているウイスキーの中では一番ピートの強い60ppmの麦芽を使用しています。
アードベッグの特徴は、蒸留器に精留器という機材がつけられており、実はピートが強いのとは反して軽いウイスキーを造る設備となっています。
そのため、ピートは非常に強く感じるのですが、じっくりテイスティングしてみるとピート以外は比較的ライトで飲みやすい味わいとなっています。
アードベッグの特徴としては、ノンチルフィルターにこだわりを持っていることで、量産品のウイスキーはチルフィルターと呼ばれる冷却濾過を事前に実施することにより色の濁りを抑えるのですが、チルフィルターをかけないことでウイスキー本来の味わいを楽しめるというのが魅力です。
また、アードベッグは年に1回、5月末から6月頭にかけてのアイラフェスティバルの、アードベッグデーに合わせて限定商品をリリースします。それもまた楽しみの一つです。
(左)アードベッグ 10年 オフィシャルボトル
(左中央)アードベッグ ウーガダール(カスクストレングス、シェリー樽フィニッシュ)
(右中央)アードベッグ コリーヴレッカン(カスクストレングス、フレンチオークフィニッシュ)
(右)アードベッグ アンオー(PXカスク、新樽、バーボン樽のブレンド)
ということで、まずは蒸留所3つご紹介でした。
Wataru Kobayashi 小林渉
Vision Whisky bar 吉祥寺
0422-20-2023
Google Map 武蔵野市吉祥寺本町1-11-8 耶馬ビルB1
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